ゴシラン

走ることについて語ります

深夜バスと円山とモイ2と私

11月11日(金)

 

私は深夜バスに揺られ、札幌へと向かったのであった。

別に昼行便で行ってもよかったんだが、なんせ札幌まで片道6時間ぐらいかかるもんで、ちょっとでも札幌滞在時の時間を有効に使おうと、深夜便を選んだわけだね。

しかし、デリケートで神経質な私は、深夜バスの劣悪な環境で眠れるわけもなく、半分うつらうつらしながら、「あー、やっと眠くなってきたなあ」と思ったら札幌に近づき、無常にもバス内の照明がつけられ、思いっきり睡眠を妨害されてしまった。

結局、睡眠不足の状態ですすきのの地に到着し、すでに「今日は何もしたくないモード」であったが、せっかく札幌まで来てこのまま行動しないのはもったいない。

 

11月12日(土)

 

 

すすきののランドマークである「ニッカウイスキーのおっさん」。

北海道マラソンでも、ここ走りましたね。

午前6時、徹夜で飲み歩いてる酔客の多い中、私は場違いのランニングスタイルで、「旅ラン」を行うのであった。

 


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ガチオさんのYouTubeを見て、「円山・藻岩山トレイル」を走るのが面白そうかなあと、あんまり考えないで円山方面に向かいます。

私は社会人になってから10年ぐらい札幌で過ごしていたが、当時は山には全く興味がなく、円山も藻岩山も「下から眺めるもの」だと思っていて、登ろうという発想はなかったのであった。

 

 

まずは大通公園で「五輪モニュメント」をパシャリ。

てっきり去年の「東京五輪ラソン」を記念して造られたものだと思っていたが、1972年の「札幌冬季五輪」から50周年を記念して設置されたのですね。

わたしゃ、一応「1972年度世代」だが、1973年の早生まれなもので、ギリギリ札幌五輪のときは生まれていない。

 

 

4kmぐらい進んで、円山登山口到着。

都心から近いところに、こんな自然豊かな環境があるのが、札幌の素晴らしいところである。

ちなみにこんな山の中でも、ここはれっきとした「中央区」なのである。

 

円山は標高225mのあんまり本格的ではない山で、周りを見ても、ガチな登山スタイルの人はほぼおらず、近所の年配の方が、普段着で朝の散歩をしているようなところです。

 

 

木の間から見える、朝の太陽が神々しいですな。

 

 

山頂。

道東の大自然の中の山に慣れている身としては、眼下に高層ビルが立ち並んでいるのが新鮮にうつる。

トレラン雑誌に出てくる香港のトレイルみたいだなあと、ちょっと思ったりします。

また自由に海外に行けるようなご時世になったら、香港のトレイルも一度は走ってみたいものだ。

 

 

下山して円山動物園へ。

当然、こんな時間に開いているわけがない。

円山動物園って馴染みがあるようで、記憶を遡ってみると、一番最後に行ったのは幼稚園のときだったかもしれない。

いや、小学4年生のときも行ったかな?

まあ、どっちにしろ大人になってからは一度も行ってないってことには変わりはないが。

 

さて、円山動物園からそこそこアップダウンのあるロードを走って、藻岩山の登山口に進みましょう。

 

 

藻岩山の登山口は5箇所あるのだが、とりあえず一番メジャーな「慈啓会病院」の登山口へ。

ちなみにここもまだ「中央区」です。

 

藻岩山は標高531mと、円山の倍以上あるんで、バリッとした「山スタイル」の方が多かったですね。

んでもって、ガチトレラン勢もいたりして、彼らの身のこなしの速さに人間離れしたものを感じたのであった。

登りも下りも、よくこんなとこ走れるなと。

私のトレランの才能のなさに愕然としながら、チンタラ歩きで山頂へと向かいます。

 

 

特にこれと言って印象に残るところもなく、山頂到達。

ここまで来ると中央区ではなく「南区」になります。

 

このまま普通に下山してもいいんだが、ちょっと物足りない。

んなわけで、一旦、「旭山記念公園」の登山口に向かって、そっからもう一度登り直そうと。

チャーリーさんのように「モイ5」として、5往復するのはちょっと厳しいが、せっかく来たんだから「モイ2」ぐらいはやっておこうかなと。

 

 

旭山記念公園ルートの途中。

高いところから市街地を見下ろすのはいいものだ。

 

 

旭山記念公園登山口到着。

「熊出没注意」とか恐ろしい看板があったりするが、まあ、週末で人も多いことだし、あんまり気にせんようにしよう。

 

さて、旭山記念公園。

ここは夜になると「カップルの聖地」となり、ベンチはカップルだらけになる非常にお熱い空間となる。

はるか昔、学生時代、バイトが終わった後、野郎だらけのバイト仲間たちと深夜の旭山記念公園に行き、カップルに向かって冷やかしの言葉をかけて逃げるという危ない遊びをやっていた私なのであった。

 

あんときに比べると俺、心身ともにすっかり健康になってしまったなあ。

まさかあれから30年後に、この場所で朝から山登りに向かうようになるとは思ってもいなかった。

人生、何があるかわからないのである。

 

同じ道をまた戻るのもあんまり面白くないが、もう一度、山頂に向かいましょう。

「あれ、あのガチトレランの人、さっきも見かけたような?」

本気でトレイルをやるような人は、ハイスピードで藻岩山を何往復もしてトレーニングしてるんだなあ。

こういう身近なところにトレランの練習環境がある人が、ちょっとうらやましいと思ってしまった。

 

 

やはり2回目の登頂も、これと言った出来事は特になく、山頂到達。

体力的には「モイ3」も行けそうな気がするが、今日のところは飽きたんでこんくらいで勘弁してやろう。

 

 

スキー場方面へと下山します。

慈啓会病院や旭山記念公園コースに比べると、人少ないですね。

どうか熊に遭遇しませんように。

 

 

藻岩山と言えば「ロープウェイ」ってイメージしかなかったんですが、「ケーブルカー」も走っているのですね。

私の知らない藻岩山をたくさん発見した一日なのであった。

「あれに乗って降りればあっという間なのに」と思いながら、慎重に転ばないように下り坂をおっかなびっくり進みます。

 

 

スキー場登山口到着。

これでこの日の「山活」はおしまい。

あとはひたすらロードを走って、札幌中心部に戻りましょう。

「モイ5」は来年の楽しみに取っておくことにしましょう。そうしましょう。

 

 

豊平川河川敷のサイクリングロードを通って、中心部へと向かいます。

写真の橋は、北海道マラソンのコースになっている「幌平橋」です。

北海道マラソンの思い出に浸りながら、別角度からコースを眺めるのもいいものですね。

 

んなわけで、約5時間31kmの「旅ラン」はおしまい。

10年ぐらい住んで、「水平方向」では知り尽くしたと思った札幌市内も、「垂直方向」ではまだまだ知らないところがたくさんあるんだなあと、新鮮な気持ちになった「旅ラン」でありました。

中心街から気軽にトレイルを楽しめる環境はいいですな。

 

「旅ラン」でくたくたになった後は、お楽しみの「サウナ」が待っています。

 

(長くなったのでつづく)