ゴシラン

走ることについて語ります

ASICSグライドライドレビュー(その2)

gossy54200.hatenablog.com

 

前回の記事は全くレビューになってませんね。

今日こそは本気出して、グライドライドのよさを伝えていこうかなと思います。

 

まず、走り出す前に部屋で足入れして歩き出します。

 

「おお、めっちゃ不安定」

 

前に体重かけすぎたら、そのまま前につんのめって転んでしまうんじゃないかと思うぐらいの不安定さ。

この不安定さはヴェイパー様レベルなのだが、あれとはまたちょっと違う。

うまく言語化できないので、読売ジャイアンツ終身名誉監督長嶋語っぽい例えになるが、ヴェイパー様の不安定さが「ふわふわ」なら、グライドライドの不安定さは「カックン」って感じ。

別の言葉で言えば、竹馬に乗っているような感じかね。

もっとも、子供の頃運動神経ゼロだった私は、竹馬に乗ることができなかったので、これが適当な例えなのかはわからんが。

 

フィット感はいいですね。

クッションはほどよく効いていますね。柔らかいです。

ゲルカヤノやGT-2000レベルぐらいでしょうか。

どっちも履いたことないから、ようわからんけど。

んで、NIKEのガバガバかかとに慣れてしまうと、ASICSのピタッとしたかかとのフィット感が神レベルに感じますな。

ヒールカップは大事です。

 

では、走り出しましょう。

キロ6分半ぐらいのスロージョグで、まずは様子を見ます。

いいねいいね。

歩いているような感じなのに、足を置いて、前に荷重をかけるだけでコロンと前に進む。

蹴ったり跳ねたりしなくても、ロッカー機構の力で前に進むので、あまり脚の筋肉を使わなく「省エネ走行」ができますね。

ロッカー機構は、明らかにHOKAのシューズよりもキョーレツです。

 

では、キロ5分半ぐらいに上げていきましょう。

うむうむ、このくらいがこのシューズにピッタリの速度域かな。

するすると脚が回って、カックン感は薄れ、スムーズに進みます。

サブフォーぐらいのスピードが、一番このシューズの性能を活かすことができるんじゃないでしょうか。

100kmウルトラマラソンだと、これでサブテンも十分行けるんじゃないかって気がします。

 

ただ、キロ4分半ぐらいになると、私の走り方にも問題があると思うがバタバタ感が出てきますな。

このくらいのスピードになったら、私なら大人しくズームフライなりヴェイパー様を使います。

 

 

ASICSは「日本人に合わせた、万人向けの無難なシューズ」を作るというイメージがありますが、これは癖だらけのシューズで、人を選ぶような気もします。

履いた人は「神シューズ」か「クソシューズ」のどっちかの印象を持ち、その中間はないんじゃないかと。

 

以下のような走り方の人にはグライドライドは「クソシューズ」になると思います。

 

1.フォアフット走法の方

このシューズは、「かかとで着地して、そっからコロンと前に転がす」ことを前提に作られています。

恐らくフォアフットだと、このシューズの性能の30%も使えないのではないかと。

 

2.足首やふくらはぎを使って「蹴る」走りをする方

このシューズのコンセプトは、「蹴らずに重心移動で進む」ということで、蹴って走る方にとっては「ただの不安定な進まないシューズ」に感じられるのではないかと思います。

足裏を転がすように進む」のが、このシューズの特性を活かせる走り方なのですが、これは「足首を使って足裏を転がす」のではダメで、「股関節を使って乗り込み、重心を前に移動させる」ことが重要だと思います。

これだと言葉足らずで、ちょっと何言ってるのかよくわからないと思う方もいらっしゃると思いますが、「乗り込み」の感覚は、以下の為末大さんの動画がわかりやすいかなあと。

 


www.youtube.com

 

ランニングの基本は「足首やふくらはぎの小さな筋肉」ではなく、「お尻や股関節周りの大きな筋肉」に仕事をさせることです。

(小さな筋肉に仕事をさせると疲れやすい。私見であるが、フルマラソン30km過ぎでふくらはぎの攣りに悩まされる方は、恐らく「蹴る」走り方をしていると思うので、ダニエルズ式云々の前に、フォームの見直しからやった方が「急がば廻れ」でいい結果が出るのではないかと思います)

 

以前にもちらっと書きましたが、「ふくらはぎを使って蹴る」走り方をする方が、「股関節を使った乗り込みを利用して蹴らない」走りに矯正する道具として、グライドライドは有効なんじゃないかという気がします。

 

 

さてさて、話の方向が見えなくなってきましたが、一応三行でまとめると。

1.キロ5分半〜6分ぐらいのジョグ用シューズとしてはよい。

2.ヒールストライク気味に接地し、蹴らずに拇指球側に重心を移動させると、「コロン」と進む。

3.クッションはほどよく効いており、LSDに使うのもいいかも。

 

てなところでしょうか。

しかし、残念ながら私の足の形に合っていないのか(試着せずネットで買ったのがよくなかったんだがね)、幅が狭く小指が当たる感じで、距離が長くなると私にはちょっと辛いなと。

ワンサイズ上げればまた違うのかなって気もするが。

今のところは、「10km程度のジョグならいいが、ロング走で使うにはちょっと苦痛」って感想です。

耐久性はHOKAよりも圧倒的によいと思うので、普段の練習用シューズとしては最強のような気もするがね。

次に「グライドライド2」や、新しく発売される「グライドライド3」を買うことがあれば、きちんと試着してから買おうと思います。

 

あんまり定価で買いたいとは思わないが、セールで売っていたら試しに履いてみるのもいいんじゃないでしょうか。

人を選ぶシューズだと思いますが、私はウルトラマラソン向きの、なかなか面白いシューズなのではないかと思います。

 

さようなら。