ゴシラン

走ることについて語ります

サロマ湖100kmウルトラマラソン オンラインチャレンジ大反省会(メンタル編)

100kmチャレンジ大反省会の最終回は、ひょっとしたら走力以上に大事かもしれない「メンタル」についてです。

極端な話、どんなに走力があっても、50kmぐらいで心がボキッと折れると、「まだフルマラソン一本分以上あるのか…」と一気にやる気が萎え、大撃沈してしまうのがウルトラの怖さなのです。

 

《先を見過ぎてはいけない。今に集中する》

 

今回言いたいことはこれにつきます。

フルマラソンでも言えることかもしれませんが、「あと何キロ」とか先のことを考えると、それだけで脳が疲れてしまいます。

自分が機械になったつもりで、淡々と、10m先だけを見ながら心を無にして走ります。

 

英国のウルトラマラソンランナー「リジー・ホーカー」は、著書「人生を走る」の中で、次のように述べています。

 

長い道をゆくあいだ、わたしたちひとりひとりが自分の内面の深いところに引きこもっていた。もう話もせず、食べもせず、友人がバスで通り過ぎても目を合わせない。何を見つめるでもなく目を見開き、前に進み続けなければならないという思いのほかはすべて頭から消えた。自分たちがしていることに、すっかり没頭した。

 

わたしの意識は次第に内面に向かう。感覚は遠のき、外界からの刺激をすべて遮断し、この先の道も、視界に入る狭い範囲以外は目に映らない。前に進むことだけに集中し、自分の呼吸のリズムに乗る。

 

世界も、時間のすべてもこの一瞬に凝縮されている。今この瞬間に。ほかのものは何も存在しない。かつて存在したものも、これから存在するものも、すべてはこの一瞬に、そしてそのなかで動き続けるわたしの苦悩に包括される。絶対的な集中力。それが、旅のほかの部分からわたしを切り離す。 

 

そう、わたしにあるのはこの一瞬だけ。存在することと存在しないことすべても、過ぎ去ったこともこれからやって来ることも、この一瞬からなる。すべてを知り、すべてを包括する、純粋な力。わたしはわたし。わたしを貫いて走るのは、わたしよりもはるかに偉大な何かのエネルギー。ただそれだけ。

 

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イエス・キリストも「明日のことを思い煩うな。明日のことは、明日自身が思い煩うであろう。一日の苦労は、その日一日だけで十分である」 と、「今にある」ことの大切さを訴えていました。

スタートラインから100km先のことを考えても仕方がありません。

腹をくくって、一歩一歩前に進むことにのみ集中し、その積み重ねがとんでもないところまで行ってしまうのが、マラソンの醍醐味だと思います。

 

《淡々と走り、淡々と潰れる》

 

ウルトラマラソンバイブル」みたいな本を読んで、事前に綿密にシミュレーションをして、「ここまではこのペースで走って、何キロと何キロであれを補給して」などと細かい計画を立てるのもいいのでしょうが、走るのは人間であり機械ではないので、ある程度は自分の感覚を信じて「出たとこ勝負」で行くのもありかと思います。

人間、本で得た知識よりも、実際の経験から学ぶことが多いわけですから。

 

今回は「淡々と走り、淡々と失速して、淡々と潰れ、そして、淡々と休み、淡々と歩いてでもゴールを目指す」と、極力感情を押し殺して走りました。

理由は「喜怒哀楽」を感じるのは疲れるだけで、ゴールを目指すのに無駄なエネルギーを使いたくないと思ったから。

 

江戸時代の偉大なお坊さんである良寛は「災難に逢う次節には災難に逢うがよく候。死ぬ時節には死ぬがよく候。これはこれ災難をのがるる妙法にて候」と、災難にあったときの心構えを説いています。

 

走れるときは、没頭して走る。

失速したら、失速したなりに走る。

動けなくなったら休む。

復活したら、また動き出す。

 

レース本番では、余計なことを考えず、流れに身を任せ、そのときそのときで「今必要とすること」をやっていくしかありません。

「あのときああすればよかった」と後悔するのはレースが終わってからいくらでもできるので、レースを投げ出さない限りは、どんなにゆっくりでも「淡々と前に進む」ことだけに集中するしかないのです。

「おっぱい」などの余計な思考が頭から沸き起こったら、それはすべて幻想ですので、「あ、このおっぱいは幻なんだな」ということに気づき、「今このとき」に集中しましょう。

 

って、結局ここでも「今に集中することが大事」ってことを言っちゃってますね。

 

《おすすめの本》

 

ウルトラマラソンはフルマラソン以上に「今に集中する」というメンタルが大事です。

メンタルを鍛えるのに以下の本をおすすめします。

 

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全く走ることとは関係のない哲学というか、ちょっとスピリチュアルが入っている本です。

スピリチュアルというとそれだけで拒否反応を起こす人もいるかもしれませんが、ぶっちゃけた話をすると、「ウルトラマラソンバイブル」みたいな本よりも、よっぽど役に立ちます。

ラソンのレースでは、走っているときに浮かんでくる思考は「インチキ」で、「今、ここで走っている」ということだけが真実です。

思考と自分は別物であり、「今、ここ」が大事だという概念を植え付けましょう。

 

ただ、ちょっと難しい本ですので、「東大六郎さん」という方が書いているまとめサイトを見ながら、頭で理解するというよりは、肌で感じていくのがいいのではないかと思います。

ラソンに限らず、私のように「メンタル弱い系」の人には超おすすめの本です。

間違いなく、今まで読んだ本の中でベストスリーに入る良本です。

 

ウルトラマラソンは、競技力を上げてタイムを向上させるのもひとつの喜びですが、あくまでそれは競技を楽しむ手段であって、目的ではないと思います。

ウルトラマラソンの真の目的は、時間や空間を超えた「今、ここに」没頭できることにあるのではないかと(それを「ゾーン」と言うのもかもしれんね)、私は勝手に思っていますが、それを人様に力説しても「変態」と思われるだけですので、自分の心の中にそっとしまっておきたいと思います。

 

さようなら。