ゴシラン

走ることについて語ります

なんでもない日にワッカを走る(その1)

「ワッカ原生花園

 

それは「サロマ湖100kmウルトラマラソン」を走る人にとっては聖なる地である。

 

私は昨年、サロマ湖100kmウルトラマラソンに初めて参加した。

それまで80km、ひたすら苦痛に顔をゆがめながら、「もう一秒も走りたくない」という精神状態の中で、森の中を抜けたとき、そこは…

 

この世のものとは思えない美しいお花畑であった

 

ああ、ここまで走ってきてよかった。

生きててよかった。

ここまでたどり着ければ、もう勝ったも同然だ(何に?)。

 

今年もこのワッカの美しさを堪能しようと思い、意気揚々と、サロマ湖100kmウルトラマラソンに申込みをしたのであったが、ご存知の通り、例のアレで今年のサロマは中止となってしまった。

 

ならば、大会でもなんでもない日にワッカを自由に走ってやろうではないか!

 

ということで、7月5日の日曜日「ひとりワッカ」を楽しんでやろうと、網走の宿を午前7時半に意気揚々と出発した私なのであった。

 

ワッカをより楽しむためには、網走からワッカのある北見市常呂まで約35km走っていくのが筋と言うものだが、ほら、私、前日にフルマラソンを超える距離を走っていることだし。

 

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そんなわけで、今回、常呂まではコイツを使ってちょっとだけ楽をすることにします。

 

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英国産の16インチ折りたたみ自転車「ブロンプトン」です。

一見、長距離を走るには頼りない相棒のように思えるかもしれないが、見た目以上によく走る「走ってよし」「畳んでよし」の万能の折りたたみ自転車です。

 

ということで、この日の作戦としては

 

・網走からワッカの入り口である「サロマ湖ワッカネイチャーセンター」まで、ひたすら自転車を漕ぐ(約40km)。

・ワッカを本能のままに10kmぐらい走る。

・またワッカから40kmひたすら自転車を漕ぐ。

 

という単純なものである。

うーむ、ワッカのランニングがメインディッシュのはずなのだが、これはどう考えてもおまけのサイクリングの方が長い。

たかだか1時間ぐらい走るのに、5時間ぐらい自転車を漕がなきゃならんのは割に合わないような気もするが、ガチで網走からワッカまで走って往復するととんでもないことになるので、今回のところはサイクリングメインで勘弁してください。

 

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 では、「網走常呂自転車道線」を常呂へ向かって北上しましょう。

この日も天気は恐ろしくよく、絶好のサイクリング&ランニング日和でありました。

 

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網走湖を左手に見ながら、ずんどこ進みます。

 

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で、網走湖を過ぎたら、今度は右手に能取湖が見えてきます。

このサイクリングロードは、今は亡きサイクルイベント「オホーツクサイクリング」でも使われていた、風光明媚なサイクリングロードです。

 

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地味にキツネさんもいます。

というか、リアルなキツネさんもいたりしました。

 

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10kmぐらい進んだところで、唐突に蒸気機関車

 

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このサイクリングロードは、1987年(昭和62年)に廃止された「国鉄湧網線」を利用したものです。

 

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そして、サイクリングロードの後半は、じゃがいも畑の中の一本道をひたすら進み。

 

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サイクリングロードは終点を迎えます。

網走市街からここまで約30km。

 

こっからは一般道を通って、常呂市街へと向かいます。

 

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以前、オホーツクサイクリングに参加したときは、サイクリストを応援してくれる町民の皆様で賑わっていた常呂町のメインストリートも、イベントがないとひっそりとしているものよ。

 

そして、サロマ湖100kmウルトラマラソンのゴール地点である「常呂町スポーツセンター」が近づくにつれて、昨年の感動がふつふつと込み上がってくるものよ。

 

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ゴール地点キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

ゴールゲートや応援の人達がいないと、こんなに寂しいとこなのかって気がしなくもないが、そこは脳内で去年のゴールシーンを再生して、感動に入り浸る私なのであった。

なんか、ワッカまで行かんくても、ここで十分満足したかも。

 

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サロマ100kmの部を10回完走された「サロマンブルー」の皆様の足型が並んでいます。

ただ、私は別に「よーし、ここに俺の足型も加えてもらうぞ!」って気は今のとこあんまりない。

「記録を形にして残す」ということにこだわりのない私なのです。

 

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露店がたくさん並んでいて、健闘をたたえ合うラン仲間で溢れ、お祭り騒ぎであったゴール会場も、普段はひっそりとしているものよ。

 

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ここ「常呂町スポーツセンター」は、オホーツクサイクリング1日目のゴールでもあったが、当時、100kmマラソンを走ることなど夢にも思っていなかった私は、自転車と同じぐらいの速さで100kmを自分の脚で走るレジェンドの記録を見て、全く、自分には関係のない別世界のものだと思っていた。

まさか、私が実際にサロマで100km走ることになるとはね。

人生というのは、どこでどう転ぶのかさっぱりわからないものだ。

 

(つづく)