ゴシラン

走ることについて語ります

空腹無補給30km走を試してみる

私が走り始めた頃、とある本に

 

「マラソンは食べるスポーツだ」

 

と、書かれていた。

 

純粋無垢な私は、その本が推奨するようにフルマラソンのレース前に餅を7個食べ、すっかり胸焼けがして、スタート前から具合が悪くなり、走るどころではなかったのであった。

 

ただ、餅はともかくとして、42.195kmの長い距離を走るんだから「お腹をすかせては大変だ!」と、レース中に5kmごとぐらいには、ジェルなどの補給食を摂っていた。

おかげで、レース中に燃料切れになることはなく、10回以上フルマラソンを完走できるようになったのであった。

 

しかし、フルマラソンのタイムが3時間半を切るようになってから、手持ちのジェルが常に余るようになっていき

 

「ひょっとしたら、あんまり食べなくても行けんじゃね?」

 

と、思うようになり、今はフルマラソンのときでもジェルは3個だけ持って走り、必ず1個は余すという感じになっている。

 

30km走の練習でも、走り始めた頃はアンパンとかアホみたいに食っていたのであるが、そのうちほとんど補給は必要なくなり、気温が10度以下ぐらいなら「無補給無給水」で走れるようになってしまった(Eペースぐらいの緩いペースに限るが)。

恐るべしは人間の適応能力である。

 

 

で、ここからが本題。

最近、ネットで見つけた記事で「糖質制限ランニング」なる概念を知った。

 

wellbeing-lab.jp

 

いやいやいや、ランニングは糖をエネルギーとして使うんだから、糖質制限ランニングなんて無理でしょ。

長距離ランニングなら、糖が枯渇して、途中でぶっ倒れてしまうわ。

 

しかし、この記事を書いた小谷修平さんは、天下の「東大卒」である。

これがどこの馬の骨かわからんような人の書いたものだったら、「ありえない」の一言で一蹴するのであるが、私は「東大卒」などの肩書に弱い。

これだけ頭のいい人が考えたことなんだから、きっと間違っていないだろうと、食い入るように記事を読み進めていったのであった。

 

で、記事の内容をざっとまとめると

 

・小谷さんは「24時間走」を中心に活躍されている「ウルトラマラソンランナー」である。

・「スパルタスロン」や「バッドウォーター135」など海外でのウルトラマラソンでの優勝経験のあるウルトラマラソンランナー石川佳彦さんも「糖質制限食」で結果を出している。

・小谷さんの食生活は昼夜の二食。一日の糖質摂取量は約46g(ちなみに、ご飯茶碗一杯の糖質が約55g)。

ウルトラマラソンでの内臓の気持ち悪さが激減した。

糖質制限開始3ヶ月後、朝食抜き無補給で70km走れるようになった。

無補給あるいはある程度絶食した後の長時間ランニングは有効糖質制限食と組み合わせることにより、ランニング時の脂肪燃焼効率が高まる)。

・ただし実際のレースでは、きちんと糖質を摂って走る。

 

 

去年、サロマ、北オホーツクと100kmウルトラ2本を走った感想としては、「脚よりも消化器が持たない」ということだった。

60km過ぎたあたりから、お腹が気持ち悪くなって、ほとんど固形物を摂ることができなかった。

これが改善されるのなら、試してみるのも一つの手かなあと。

今年はコロナ騒ぎで、まともにレースなど行われないものだと腹をくくって、自らを人体実験の材料に使い、時間をかけて体質改善を図るいい機会なのかもしれない。

 

そんなわけで、今日はタイトルの「空腹無補給30km走」にチャレンジすることにしたのであった。

30kmなどのロングをやるときは、3時間ぐらい前にそれなりに食べてから今までは取りかかっていたが、今日はこんな感じで取り組むことにしました。

 

・前日19時以降は絶食

・走る前にコップ一杯の水だけを飲んだ

・絶食時間は約10時間

 

無補給30kmの経験はあるが、それに「空腹」という条件をつけて行うのは初めてなので、途中腹ペコで倒れないかなど不安はあったが、小銭と塩タブ3個を持っていけば行き倒れることはないだろうと、朝の5時半に出発。

 

心拍数は140を超えないように気をつけます。

心拍上げるような走りだと、糖を無駄遣いしてしまうからね。

 

大体サブフォーぐらいのペースで20km到達。

脚が重いとかそういったことはなく、何より胃の中が空っぽだからなのか、妙に身体が軽く感じる。

これなら30kmは持つと確信。

ラスト5kmはキロ5ペースまで上げることができました。

 

f:id:gossy54200:20200404144944j:plain

 

力が入らない感じはありましたが、逆に言えば、そのおかげで「力が抜けた」走り方ができたという見方もできます。

 

f:id:gossy54200:20200404145339j:plain

 

心拍数も、スピードを上げたラスト5km以外は、ほぼ140以下をキープできて悪くない感じです。

こんくらいの心拍数なら、脂肪燃焼効果が高いのではないでしょうか。

知らんけど。

 

《まとめ》

・1ヶ月ぐらい10kmの「朝ラン」で慣らしていたこともあったのか、さほど苦しむこともなく、むしろ最後はペースアップすることができた。

・今回は完全なる「無補給無給水」であったが、これは0〜3度という低い気温だからこそできたことで、暖かくなったら水分と電解質は摂った方がいいでしょう。

・ウルトラの後半で内蔵の苦しみに悩まされる方にとっては、よい練習になるのではないかと思います。内臓が仕事をしないので、その分内蔵を休ませることができるのではないでしょうか。知らんけど。

・フルマラソンの練習としてはそんなに有効でないような気がしますが、「スピード型」で後半撃沈する方は、試してみるのも一つの選択肢ではないでしょうか。これで本当に「脂質型」の走りに変わればの話ですが。

・当然のごとく、今回一回だけでは結論など出ないわけで、継続して試すことによって、もうちょいしっかりとまとめられたらと思います。

 

さようなら。